時実新子さんが亡くなられた
asahi.com より引用
女性の内面を激しく鮮やかに詠んだ作品で知られる川柳作家でエッセイストの時実新子(ときざね・しんこ、本名大野恵美子=おおの・えみこ)さんが、10日午前5時15分、肺がんのため神戸市の病院で死去した。78歳だった。葬儀は親族のみで営む。喪主は夫で川柳研究家の曽我六郎(そが・ろくろう)さん。
1929年、岡山県生まれ。25歳の時、新聞への投句から川柳を始めた。63年、初の句集「新子」を自費出版。その奔放な独白は柳壇を驚倒させ、短歌界の与謝野晶子の「みだれ髪」になぞらえられた。
87年に出た句集「有夫恋(ゆうふれん)」はベストセラーとなり、個人の川柳句集が一般読者に迎えられる先駆けとなった。
季刊個人誌「川柳展望」や「月刊川柳大学」を主宰する一方、「川柳新子座」(アサヒグラフ、週刊朝日)など様々なメディアの柳壇も担当。抜群の選句力、鑑賞力で現代川柳の魅力と深さを伝え、すそ野を大きく広げた。
私も90年代にはよく引用させていただき,コラムや講演で話題にさせていただいた方である。
拙文をここに掲載し、ご冥福をお祈りします。
「二人とも少しずつ老い ときどき会い」(新子)
「姉妹で母をそしり 海が見え」(新子)
時実新子「家庭画報」1999年3月号より
姉妹があるひとがうらやましい。さっそくこの川柳を姉のいる親友に伝えた。そう、よくわかるワとよろこんでくれた。
彼女も母を亡くし、私も昨年亡くした。
この川柳にあるように海の見えるお墓に参り、母のことをそしりながらも共に老いていける姉妹があればなあ〜。
でも、姉妹はなくとも親友といえる女ともだちと何とか年を重ねていけそうだ。(1999年の記述)