今期の芥川賞作品『ひとり日和』

昨日はいいお天気だったのでハナミズキを仰ぎ見ながら庭の椅子に腰掛けて今期の芥川賞作品「ひとり日和」を完読。
テーマとしては20歳の女の子の自立を描いたものなんでしょうが、そのディテールには関心しました。これだけリアリティのある\暮らしを描く表現力に感心しました。

自分のこの年頃の所在なさを思い出しました。
夕飯の準備をする匂いのする夕暮れの大学寮のあった町を思い出し、その空っぽな生活がけっこういまに活きてます。
ひとりで暮らしてみるとわかることって、ひと恋しいさかしら?

いっしょに暮らした(下宿みたいな生活)お年寄りの描写も巧い。

ちょっぴり前向きで終わった読後感もいいです。

映像的にも表現できそうな作品です。

この歳になると何とか「平凡な人生」でいいから、生きて行ってねと思わずにいられません。
平凡がありがたいんです。


ひとり日和