キャッチフレーズの記号学的解読

一昨日、深窓氏が勤務する医大で退職記念講演会があった。ジャーナリストで、ブログでもおなじみのR指定(錬さん改め)さん、きく子、英子、かなさん、ふたりの娘とジョージ君も来場@ありがとう!

夫の講演を聴くのは13年前にアムステルダムの国際学会で聴いた以外に,あとにも先きにもない。いつもよりも若く凛々しく見えた。正面にmacの画面が映し出されると、彼は聴衆席に退席し、macから彼の声=ナレーションが聞こえきた。ああ、あれは、この準備だったのか!ときどき書斎で何かを読でいるような録音中の声が聞こえていた(画像参照:ダークな会場で講演するmac君のアップルがかわいかった)

昨日東京の息子に宛て珍しくメールを書き、講演の画像を送ってやった。
「さすがというもので、CM制作をやっているあなたにも聴いて欲しかったキャッチフレーズの記号論的解読がテーマ。またビデオが出来るので,見てください40分。とても斬新な手法の講義でしたよ。NHK教育テレビ40分番組のようなしっかりした構成と展開でした」

件のR指定さんは熱心にメモをとられ、翌日のブログに書き込み があった。

ーーー畏敬する E先生の最終講義を、聴きに出かけた。テーマは「キャッチフレーズの記号学的解読」で、実に深みがあり内容があった。われわれを取り巻く世界には、「見出し」「キャッチフレーズ」[CM]などが横溢する。スイスのソシュール博士が考察した「記号論」は、国際学会が発足して、質量ともに充実したそうだ。

先生は、「コード」と「コンテキスト(文脈)」のグラフを示し、コードが自然科学、コンテキストが人文科学と、明快に説明された。特に1987年の「知的広告」(日本の英字紙に掲載)を引用されて、二進法を詳しく解説されたが、私には少し難しかった。

それでも、日本人初のノーベル物理学賞湯川秀樹博士への想い、ご自分のお母さん(母じゃ人)へのオマージュなどは、良く理解出来た。さらにW・シェークスピアの悲劇「マクベス」などを、分かり易く引用された。アメリカの留学で接しられた世界や、幼馴染で他界された「画家三橋節子さん」の話題も盛り込まれ、実に起承転結が明確な"講義"となっていた。その博覧強記に、改めて感心したーーーーーーーーーーー


余談ながら、深窓氏はわがmac師匠でもある。かなりのmacつかいであるから、macに講義をさせているような=かれは聴衆席に着席して、あたかも自分が作ったmacテキストのディレクターのように、画面を見つめていた。 それを職業としていないものをしてはかなりの腕だと思う。彼は研究者だから,当然、コードとコンテキストがよくなければならない。それが充実していて,同行していただいた友人にも恥ずかしくないものだったので、つれ合いとしても、そして、少しは彼とも接点もある職業人のパートナーとしても○印だった。今度もますます好きな深窓で、深窓ハズバンドしてください。