『明日の記憶』を是非見てください。

asita

京都では6月30日が最終日です。

2週間前に上映館に行った朝一番の回は満席だった。私のお目当ては他の映画だったので、評判が好いのだ、日本ではこういう映画をまじめに見る人が多いんだ〜とぐらいにしか受けとめていなかった映画だったのだが。。。。
映画通のプロデューサーのNさんはいつもは辛口なのだが、この映画をえらくよかったとおっしゃっていたし。。。、それじゃ〜と昨日出かけて行った。

満席札止めはかなわないので、前日にネットで購入しておいた好い席。それが〜!開演前に自分の席に座って、メガネをかけたところ、??ぼやけて見えない。ハタと気付いた。


まさに、この映画で最高の脇役を演じていた香川照之がいうように、「お年頃ですね」だった。

阿呆が、パソコン用のメガネを映画用のメガネととり替えてバックに入れていたのだ。失敗の理由はメガネメースの取り違い。パソコン用につくった近距離用だった!
それから指定席の変更をお願いして、前列4列目真ん中に座る。これなら何とか見られそうな位置!ああ、大失敗。
ああ、前置きが長くなったが、それでもこれはそれで関係があるのです!
「お年頃」というキーワード!物忘れ、名前がでない場合に、冗談でお年頃ですね、ということがある。それを取引先の責任者の香川照之が主演の渡辺謙に言ったのだが.....、
実はそれが深刻なことに、49歳で認知症の一症状であったのだ!

好い映画だった.ひととちゃんと向き合ってていねいに撮っている。
人気俳優もいっぱいでていたが、どの俳優もこの作品のためにちゃんと役柄を押さえて演じていて、
人気と関係なく好い演技ができていて気持ちのいい映画だった。
誰がスターでもない、この映画を好い作品にしようと言う情熱が押さえ気味の演技に伝わって来て、
何度泣かされたことか!!

特にひとり娘の結婚式までは現役でいて、娘たちに頼まれた父親としてスピーチをちゃんとしてやりたい!
お婿ちゃんを坂口某が好演!
それが何とかやれた時には拍手をしてあげたくなるほど、当事者の様に緊張した。もう少し早く希望退職していれば、
退職金も部長としてもらえたのに、家族のためにもう少しわかっていながら頑張って閑職について課長代理。

彼の職種はまさに大東京、広告代理店の部長.生き甲斐とやりがいがある脂の乗り切った49歳だったのに!


渡辺謙さんがクリント イーストウッドの影響で好い映画で演じたい、それをつくりたいということで、
エグゼクティブプロデューサーをやっている。魂の入り方が違う。
樋口可南子がまた『阿弥陀堂』につづいていい!
この人の都会派の少しクールな、かしこい女房、私は好きだ!
私が大変だったときに、あなたは何の力にもなってくれなかったじゃないの!と
仕事で帰りが遅くなった妻(夫の病気のために専業主婦から器やの店長として働きに出る。旧友に無理言って手にした初めての仕事)の浮気を疑い、なじる夫、病気とは知りつつ、今まで言えなかった台詞を吐く妻が、哀し。
言ってみても無駄、もう遅い。
それでも家族のために頑張ってくれた夫なのだから、寄り添って行けるところまで一緒に行こうと思う、かしこい妻。


きれいごとではいかない病気ながら、こんな年でこんな病気になるとは許せない!悔しいだろう。
必死で『スローグッバイ』
(特効薬はないので、やがて死に至るが.それまで、スローにみんなに世間からグッドバイしてゆく)
それまでどう生きるか、どう支えるか。
記憶が段々なくなってゆく夫を見たくない。どうなってゆくのか、怖い。
でも、ともに生きて生きた戦士なのだから、ともに生きるより仕方がない!


長らくお邪魔していなかった『ほぼ日』でもこんなにやっていたのですね。
女房が樋口さんだから.協賛.若い人にとっても見ておいたら好い映画です。
親の明日かも??ああ、私の明日かも?
そういう恐怖感もある映画でしたよ.怖いところもあって、また姨捨ならぬ爺捨山みたいなシーンもあったし。。。

深刻な状況ですが、ファンタジーもあったのです。
愚息がこういう業界のモノなものですから
こういう業界のファンタジーも盛り込まれていて、楽しくワクワクもありました。


ここから公式サイトへ ゴー
http://www.1101.com/ashitanokioku/

また公式サイト『音で聞く名場面集」を是非 聞いてみてください。
映画をご覧になれなくてもイメージが充分膨らみます。
結婚式スピーチ編もあります。