京都ビター&スイート その1

ake1492005-10-22


私は京都に住んで35年になる。
配偶者は京都生まれ京都育ち。彼の父は伏見の商家の育ちで日本画家だった。わが家の系譜で言えば,男子系はうちの息子で京都5代目ということになる。

夫には、『京都疏水ベリものがたり  本当の「哲学の道」』という京都ものの著書がある。「疏水ベリ」は、いまでは全国区の観光地「哲学の道」として有名になりすぎたが、ここで生まれ育った夫にはこの界隈に対する思い入れがことのほか強い。吉田山を西に見る地域の住人として、またそこを超えて学校に通っていたものとしても。

私はそんな配偶者とその母親(官吏転勤族の娘で、丹波の育ち)と長く暮らし、街中の友人知人との交流も年々多くなってきた。ひとくちに京都といっても、どの界隈で育ったか、どこで暮らしているか、勤めているかによって、そのひとの京都観はさまざまだろう。ましてや、私のような高々35年のもの何がわかる?

しかし、外から来たものを「旗印を鮮明にせずに」受け入れ、黙って、「千年の都」の色に染めて,来るものを飲み込んでしまう京都にいつの間にか愛着が湧いて来た。古都、京都に住めていまは幸せ、ここで齢を重ねられることがうれしく思える様になって来た。

そして,夕暮れ時になれば、吉田山の向こうに沈む夕陽を眺めながら、結婚数年後に米国ユタ州という遠いところで暮らし、閉塞的な京都から逃れられた解放感に浸りながらユタ湖に沈む夕陽を眺めていた若き日をいまでは懐かしく思い出しながら、柴犬のアキちゃんと平安の気持ちで京の夕陽を眺めているのである。


京都に関する好き嫌いのエピソードやご意見、京都観をおきかせください。

「京のイケズ」に敏感に反応して、悪い印象をもったまま転勤していった転勤族のおハイソ系の奥様とか、
東京的全国区有名人が,京都ではチヤホヤしてもらえなくって、ご不満だったとか・・・このてのエピソードはいっぱいあります。私もイケズなオンナになって来たかしら、それでこそ、一人前とか!?

画像:ユタ州の国立公園の奇石デビルに夕陽が映えて